ORII(オリー)
は、骨伝導で音を聞き取る新しいタイプのウェアラブル端末です。
身につけるタイプの端末装置は、腕時計タイプのスマートウォッチ、眼鏡タイプのスマートグラスがありました。
どちらも、話題性の割には、イマイチ普及が進んでいません。
ORII(オリー)の最大の特徴は、スクリーンレス端末である事です。情報端末なのに、スクリーンを一切使いません。
そして、人差し指に装着する事で、指をスピーカーに変えてしまうのです。
ガジェット好きには、ワクワクするようなキーワードがてんこ盛りですね。
さて、どういう事なのか、順を追って見ていきましょう。
目次
ORII(オリー)骨伝導対応スマートリングとは?
骨伝導とは、最近の補聴器に採用されている医療技術です。難聴の方に音声を伝える方法として、音声を拾って、耳元で増幅するというのがシンプルな方法です。
それに対して骨伝導は、まったく異なる方法で、音声を伝達します。Wikiペディアによると、次のような仕組みです。
骨伝導は、空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ聴覚神経(内耳)に伝わる(気導音)に対して、声帯などの振動が頭蓋骨を伝わり直接聴覚神経に伝わる(骨導音)ものである。 |
ざっくり言ってしまうと、鼓膜に頼らず、頭蓋骨から直接、聴覚神経へ音を伝えるんですね。
この仕組を使うと、重度の難聴の方でも、聴覚神経さえ失われていなければ、健常者と同じ程度に音を聞き取れます。
まったく鼓膜に頼らないからです。
この仕組を使って、難聴であるにも関わらず、作曲を続けた有名人がいます。
ベートヴェンです。
彼は、指揮棒を歯で噛み締めて、ピアノに押し付け、骨伝導の原理を使って、音を聞き取り、作曲を続ける事ができたと言われています。
そして、この仕組は難聴の方だけでなく、健常者の方でも、利用する事が可能です。
普通に聞こえるのに、なぜそんな事をする必要があるのでしょう。
それは、骨伝導で音を聞くので、周囲の人間にORII(オリー)を通して流れる通話相手の言葉を聞かれる心配が無いという利点があるからです。
また、パーティー開場・駅のホーム・コンサートのように、騒音の中でも、はっきりと聞き取れます。
ORII(オリー)は、聞くという人間の感覚を、最大限に利用したスマートリング端末なのです。
ORII(オリー)の機能と価格
まずは、簡潔にまとまった、こちらのプロモーション・ビデオをご覧ください。
音声アシストで日常が快適に
「今日の天気は?」
「午前7時に起こして。」
「明日13時に会議を設定して。」
ボタン一つでアクセスでき、小声でもしっかり声を拾うマイクで、ORII(オリー)でSiriやGoogleアシスタントの使用がより気軽に、驚くほど便利になります。
サクッとメッセージを送る
移動中・運転中・荷物で片手が塞がっている時も、指に装着するORII(オリー)なら、指一本と声だけで、SMSやメールを送る事がでます。
自分だけの通知カスタマイズ
通知ライト5色Xバイブレーションパターン(0-4回)の組み合わせを、個別の機能に割り当てる事が可能です。
騒々しい着信音で、会話を中断されたり、会話の相手に気を使わせたり、会議でうっかりマナー違反をする事もありません。
すぐに電話する
ORII(オリー)なら、直ぐに電話に応答できますし、電話をかける事もできます。スマートリングを付けた指を耳元に当てるだけです。バックからスマホを取り出す必要がありません。
さて、お値段の方ですが、メーカーの希望価格で25,704円(税込み)です。
色は、スペースグレー、アーマーレッド、ダークナイト、スターダストシルバーの4種類です。
ORII(オリー)の口コミ・評価・レビュー
口コミ
- かなり、強く耳たぶ付近に押し当てないと聞こえない。
- 音漏れするぐらい、本体側の音量を上げないと、明瞭に聞き取れない。
- 骨伝導を使うのに、コツが必要だが、慣れたら便利。
- 休憩中に充電すれば、ほとんど電池切れも無いし、防水なので、一日中着けてます。
- 携帯って、デスクに置き忘れたりしがちだけど、不注意による連絡ミスが無くなった。
評価・レビュー
音声で情報を伝えるという事に特化したウェアラブル端末です。
単にメッセージや通話に利用できるだけでなく、SiriやGoogleアシスタントの機能を使う事もできます。
例えば、翻訳ですが、スマホに向けて話さなくても、耳元のORII(オリー)に話すだけで、その結果を受け取る事ができます。
将来的には、ジャイロを搭載して、ジェスチャーによるコマンドも装備する予定だそうです。
多機能にするのではなく、敢えて情報の入り口と出口を限定する事で、アシスタントとしての便利さを追求した商品です。
ただし、骨伝導という特殊な方法で、音声を伝えるので、指の太さ、皮下脂肪、頭蓋骨の形状など、個人差がある程度あるようです。
人によっては、骨伝導がうまく機能せず、音漏れするまで音量を上げて、結局鼓膜で聞き取る結果になる事もあるようですね。
IPX7の防滴仕様なので、発汗や手洗い程度の水分では、機能を損なう事はなく、外す必要がある場面は、ほぼ無いでしょう。
機能の設定は、Android,iOSで提供されているアプリで行います。また、アプリと連携する事で、利用の幅が広がります。
気になる連続稼働時間は、待機で最大48時間。通話回数に直すと、100件以上のやり取りが可能との事です。
充電は、USB経由で行うので、スマホを持っていれば、今までと同じ感覚で充電可能です。
通信規格は、Bluetooth 3.0、BLE 4.0に対応。
現在対応しているサービスは、電話・SMS・LINE・WhatsApp・Facebookメッセンジャー等。順次拡張の予定です。
まとめ
ガジェット好きなら、実験代覚悟で買ってみては?、と言いたい魅力的な商品ですね。
スパイ大作戦とか、あそこら辺の映画で、秘密兵器として出てきそうな商品です。
また、スマート家電のコントロール等も、アプリの連携で可能になる予定なので、
スマート家電の操作端末として家のどこにいても利用できますね。
ウェアラブル端末の一つの問題は、装着する事への違和感です。
スマートグラスなどは結局それが障害になって、業務で着ける必要があるような場所じゃないと装着し続ける事ができませんでした。
普段の生活にいかに溶け込むかが重要で、多機能である事は、最優先の課題では無かったりします。
スクリーンレスという選択は、その点で注目すべきアプローチだと考えます。