私が最近許せないものが2つあります。1つは「歩きスマホ」もう1つは車運転中の「ながらスマホ」です。そんなに危険を犯してまでスマホですることがあるのでしょうか?
今回は、「ながらスマホ」による違反の罰則が道路交通法改正によって強化されたそうなので、「ながらスマホ」の現状と合わせて書いていきたいと思います。
目次
2019改正道交法施行令案の内容
それでは今年5月に改正が行われた道路交通法の内容を見ていきましょう。
自動運転
今回の改正で条件から外れた状況での自動運転システムの使用や、自動運転中の走行データを正確に記録できない車の運転を禁止しました。なお自動運転の詳細については後述します。
違反をした場合、違反点数が2点、違反金が大型車では12000円、普通車が9000円となります。この違反金の支払いを拒否した場合、刑事罰の対象になります。
施行時期は2020年5月からの見通しになります。
ながら運転
今回の改正では自動運転技術以外に携帯電話やスマートフォンの運転中の使用によるながら運転に対する厳罰化が施行されています。
具体的には、
運転中にスマートフォンなどを使用していて交通事故などの危険に結びついた場合、現行「3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」へと厳罰化されています。また違反点数が2点から6点へ引き上げられています。
次に事故にはならなくてもスマートフォンなどを使用していて運転をしていた場合、違反点数が1点から3点へ、違反金が大型車の場合7000円から25000円、普通車の場合は6000円から18000円へ引き上げられます。
施行時期は2019年の12月からの見通しになります。
スマホのながら運転で事故が起きるのはなぜか
スマホのながら運転は、車の運転中にスマホの画面を凝視している状態のことを言います。この状態になると肝心の運転はおろそかになります。注意がスマホに向いているので急に起こる飛び出しに反応ができません。また視界がスマホに向いているので赤信号の見落としや車線のはみ出しを起こします。これら全てが、最悪悲惨な事故につながるのです。
スマホのながら運転による事故件数の推移
まずこの表を見て下さい。
この表によると、携帯電話使用しながら(ながら運転)による事故件数が10年で約2倍と大幅増となっています。
また次の表を見て下さい。
これは、死亡事故比率のながら運転時とそうでない時の比較です。実に2.1倍もの差があるのです。
いかにながら運転が危険かが分かってもらえたと思います。
スマホのながら運転による事故の事例
ながら運転による事故は多くありますがその一部を紹介します。
【ケース1】
2017年2月、埼玉県草加市の歩道にて歩いていた母子が、トラックに跳ねられました。子供は軽症ですみましたが、母親は死亡しました。トラックを運転していた男は、裁判によって自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)などの罪で禁錮2年6カ月の判決を受けました。判決によると男は約20秒間スマホの地図を注視し、赤信号を無視し交差点に進入し別の車と接触した後、母子をはねました。
被害者の夫は「妻は無駄死にだった。」と語っています。
【ケース2】
石川県金沢市内を運転中に道を間違えた夜行バス運転手が、スマホの地図アプリを凝視した為、前方不注意で乗用車に追突しました。
【ケース3】
愛知県西尾市にて「ポケモンGO」を遊びながら運転をしていた女が、前方不注意で85歳の女性をはね死亡させてしまいました。
スマホのながら運転根絶への課題と対策
日々ニュース等で「ながら運転」の危険が叫ばれているにもかかわらず、なかなか事故は減りません。これは個人のモラルが低下している証拠と思われます。最初に述べたようにスマホが車の運転に優先していることがおかしいのです。
また個人のモラルに頼るだけでなく物理的に「ながら運転」を出来ないようにする技術革新も進んでいます。例えば、スマホに搭載しているGPSや加速度センサーを活用し車を運転している際にスマホのアプリを停止してしまうアプリを使用するものです。
この機能も、現在全てのスマホに搭載されているわけではないので使用の有無は、個人の判断です。本腰を入れて対策をするのなら、全てのスマホに標準装備して強制的に使用させる必要があります。
まとめ
スマホは最先端の便利な情報機器です。しかし車を運転している時に見てしまえば事故の元です。
頭では分かっているのにながら運転をしてしまうのは、己への過信と誰にも怒られないという意識だと思います。いっそのこと免許を取得もしくは更新時に「ながら運転で捕まったら免許を返上する」との誓約書を提出するぐらいのことをしてもいいかもしれません。
今回も記事をお読み頂きありがとうございました。