2019年7月2日、JR5社は、今年の10月に予定されている消費税率の引き上げに対応する為の運賃と料金の改定を国土交通大臣へ申請しました。
既に5月10に申請が終わっているJR北海道と合わせて、全6社の申請が出揃った事になります。
JR北海道を除いて、他の5社は消費税率の引上げ分を、料金に乗せるだけの改定になります。
JR北海道だけは、消費税引き上げ分にプラスした料金の引き上げで、改定率が11.1%になっています。(他は、1.852%)
税率が引き上げられて、大きく影響が出るのは、なんと言っても交通費です。
どの程度の影響が予測されるのか、調べてみました。
目次
JR旅客6社の2019年運賃値上げはいくら?
JR5社(JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)
※表は、JR東日本が発表した首都圏の運賃の値上げ申請料金です。
- 改定は消費税率引き上げ分を運賃、料金に公平に転嫁することが目的。鉄道事業全体として「110/108(約101.8%)」以内の収入、改定率は「1.852%」となるように調整します。
- 普通旅客運賃は、営業キロ別に異なる税抜運賃の基準額に「1.1を掛け」、ICカード利用者は1円未満を切り捨てた「1円単位」で、きっぷ利用者は原則として「四捨五入により10円単位」で端数処理をした額に設定します。
- 普通旅客運賃ではない運賃(定期など)や料金は、原則として現行の額に「110/108(約1.0185)」を掛け、「円単位で切り上げ10円単位とした額」に改定します。
- 上記の改定によって110/108を超える収入になることで超過する収入は、路線や区間で全体調整するとしています。
JR北海道
改定は、消費税率引き上げ分に加えて、経営改善の為の通常値上げを合わせた運賃になります。改定率は、「11.1%」
全国の私鉄各社の2019年運賃値上げは?
大手私鉄16社の改定率は、消費税率の引き上げ分とほぼ同じの1.851~1.852%。
運賃額の端数処理(1の位の四捨五入)などにより改定率が1.851~1.852%にならない場合もあるため、一部の運賃額を据え置くなどして全体の改定率を1.851~1.852%以内に抑えています。
例えば、京王電鉄などでは、事業全体の改定率を調整する為、値上げに伴って、一部の区間では、値下げも実施されます。
経営改善や設備投資などを目的とした値上げも含めた運賃改定を行う会社は、大手私鉄16社のなかにはありません。
新幹線の2019年運賃値上げは?
現行の料金に、1.0185を掛け、円単位で切り上げた料金になります。東京~新大阪間で、指定席で270円程の値上げになります。
まとめ
今回の消費税率の引き上げに伴う料金の改定では、JR北海道の値上げ率の高さが目立ちました。
もともと、黒字化の目処が立っていない地域な上、雪害でメンテナンス費がかさむ上、生活路線として廃止できない赤字路線が多く、今後も経営の見通しが立っていません。
また、労組が異常に強い事でも知られていて、労使紛争が原因とみられる理由で、社長が自殺しています。
耐用年数を過ぎた老朽化した設備が、経営難から交換される事無く使われて、メンテナンスを省略する為のデータの改ざんも報告されています。
かつて、国鉄が陥った、負のループが、JR北海道だけ解決されずに、残っている状態です。