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遁(とん)刑者という言葉があります。

いかにも、法律用語的な響きがある言葉ですが、実刑判決確定後に、保釈中だったりして、自由が確保されていた人物が、行方不明になる状態を言うそうです。

「遁」の意味が、何かに身を隠して逃げるという意味があるので、確定した刑から逃げている者という意味ですね。

忍法で水遁の術などありますが、あれと同じ意味です。どうも、わざわざ判りにくい表現にしているような気もします。

ここまで読まれた方は、先日、実刑判決後に収監に訪れた地検の事務員と警察官の計7人に対して、刃物を振り回して抵抗し、自動車で逃げた小林容疑者の事が頭に浮かぶと思います。

まさに、彼が後日、捕まるまでの間、遁(とん)刑者の状態だったわけです。

逃亡後に、武器を所持しているとして、学校が休校になったり、大捜索が行われたりと、大騒ぎになりましたが、今回の件で小林容疑者に課せられる追加の刑は、収監を拒んで逃走した事に対する公務執行妨害と、保釈金の没収だけです。

聞き慣れない遁(とん)刑者というものについて、調べてみました。

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とん刑者とは?意味を簡単に説明!

公判が行われている間、保釈金を支払って、裁判所が許可すれば、保釈の状態になります。

この場合、刑が確定した後に、改めて収監と行って、地方検察庁と警察が、受刑者となった保釈中の人物の身柄を確保しに行きます。

この時、大人しく収監されずに、保釈期間中に身をくらましたり、小林容疑者のように逃亡する人もいます。

こうして、行方不明のまま、確定した刑を受けずに逃亡状態にある人物を、遁(とん)刑者といいます。

2019年現在で、26名存在するそうです。

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とん刑者に関するニュース

つい、先日、神奈川県で大騒ぎになった、小林容疑者の事件が、記憶に新しく、理解しやすいと思います。

  • 2018年に麻薬取締法違反、障害の罪で実刑判決が横浜地方裁判所で下ります。控訴して、審議は高等裁判所へ。
  • 公判中の保釈が認められ、自由の身になります。
  •  2019年に高等裁判所が控訴を棄却。実刑が確定します。
  •  6月19日に、横浜地検の職員5人と、神奈川県警厚木署職員2人が、判決の結果を受けて、小林受刑者の収監に自宅に向います。そこで、小林受刑者は、包丁を振り回して同行を拒み、車で逃走します。
  • 6月20日、午前6時頃、地検が、横須賀市内の知人宅で、公務執行妨害容疑で逮捕。匿ったとされる知人も逮捕されました。

以上が、事件の時系列による展開ですが、この間、小林容疑者の立場は、3回変わっています。

刑が確定するまで 容疑者
刑が確定後 受刑者
逃亡中 遁(とん)刑者

今回、騒ぎになった割に、追加される刑罰が、軽く見えるのは、この立場の変化が大きな比重を占めています。

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遁(とん)刑者に時効はある?

刑が確定しているので、時効は起算されます。

ただし、実刑ではなく、執行猶予のついた刑罰の場合、時効は起算されません。

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まとめ

法律というのは、その時代の人権意識の変化に沿って、適用に影響を受けます。

ちょうど、今、日産のゴーン前会長が、勾留され続けているように、罪を認めるか、罪を確定する証拠が確保できるまで、延々と勾留し続ける事を「人質司法」といいます。

これを、人権侵害と考えるのが、最近の認識で、手続きさえ踏めば、保釈というのは認められやすくなっています。

保釈中はフリーハンドになるので、中には逃亡する人も出てきます。小林受刑者のように治安上、重大な案件になる事もあります。

なにしろ決められた手順として、書面や電話で、本人に自主的な出頭を要請するわけですから、逃げようと思っている側からすると、わざわざ逃げるタイミングを教えてくれているようなものです。

また、権限の縦割りで、保釈中の受刑者については、あくまで主導が地方検察庁になるので、捜査権限が制約されて、発見するのが難しくなります。

手順としては、地方検察庁の依頼で、警察が捜査をする事になるので、一般の犯罪者の捜査よりも初動が後手に回ります。

つまり、遁(とん)刑者という立場が、逃げやすくしている部分もあるわけです。

小林受刑者のように、極めて治安上、危険な案件については、捜査が潤滑に進みますが、実効力のある法律の運用という点で、課題があると思います。

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